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Laboratous株式会社
北原孝彦 -やり抜いて、積み上げて、夢を現実に-
「設立3年、年商10億円」を支えたYouTubeの力 動画出演は「力試し」と「成長」のための場
- ■ 支援期間:
- 2021.8〜現在
経営コンサルタント

OUTLINE
概要
「設立3年、年商10億円」を支えたYouTubeの力
動画出演は「力試し」と「成長」のための場
YouTubeによる認知向上とファン化が事業成長に貢献した。
その成功の背景には、演者自身のたゆまぬ努力と思想があった。
北原孝彦|プロフィール
1983年長野県生まれ。理美容専門学校を卒業後、長野県の美容室へ。入社3年で店長に抜擢され、ブログやメルマガを活用して新規集客を拡大。同時に独自でWEBメディアを運営し、アフィリエイターとしても活躍。勤めていた美容室を退社後、2015年5月に美容室「Dears(ディアーズ)」1号店を地元に開業。2020年12月には全都道府県出店。2022年4月時点172店舗出店。その他にも年商8億規模の通販サイト、300社以上が登録するHP事業、美容商品卸事業、シェアオフィスなど、複数の事業を運営。2021年には、様々な事業の中心となる株式会社北原孝彦を創設し、連続起業家として活動をはじめる。現在は153社の顧問を同社で引き受け、経営者、起業家に日々様々な助言と改革を行う。新規事業の立ち上げや2,400名以上が本気で学ぶビジネス勉強コミュニティ「UBM=ビジネス行動管理大学」の運営に注力。自身が携わる11法人を含め、グループの総年商は50億にまで成長した。2024年8月株式会社北原孝彦からLaboratous株式会社へ社名を変更し現在に至る。
演者のスキルアップと魅力的な企画 両軸がチャンネルの飛躍的な成長を支えた
Q1
YouTubeを始めたきっかけを教えてください
- 北原
- 事業発展のためにYouTubeチャンネルを開設したのは、2012年のことです。YouTubeへの期待値は高く、やらない理由はないと考えていました。まずは自分なりに動画を投稿してみたのですが、知識がないまま続けても成果が得られず、だんだんと投稿頻度が減っていきました。とはいえ当時の動画を見返してみると、10年以上前の動画にも関わらず1.3万回再生されているので、そのまま地道に続けていれば軌道に乗っていたのかもしれません。

Q2
STAGEONを知ったきっかけは?
- 北原
- 紹介ですね。その人はビジネスにおいて信頼できる実績がある方で、当時の僕は彼の知見をお借りしたいと相談していました。その流れで彼からSTAGEONを紹介していただき、STAGEONには動画の撮影・編集などの実務をお任せするようになった形です。
Q3
そこからSTAGEONとの二人三脚が始まったんですね。
- 北原
- 当初の目標としては、STAGEONが提示するYouTubeの成功戦略を100%再現することが重要だと考えました。そのためにスケジュールを調整したり、演者としてのトークスキルを磨いたり必死でした。当時の僕にはYouTubeに対する知見や経験値がありませんでしたから、二人三脚と表現するには偏りすぎた関係性だったと思います。それから約一年間、フリップチャートを使いながら解説するスタイルで、STAGEONの支援を受けつつ動画を撮影・投稿していきました。
Q4
チャンネルを伸ばすために、STAGEON側はどのような工夫をしましたか?
- STAGEON 箱﨑
- 北原さんはもともとSNSでの発信に注力しており、フォロワーも多かったので、Twitter(現:X)からの流入にも支えられつつチャンネルが成長していきました。そこからさらなる伸びを作るために、フリップチャートを使う撮影スタイルを変えることにしました。北原さんは経営者に向けたノウハウを発信していたため、経営者の視座を持つ聞き手がいたほうが、より語りやすいのではないかと仮説を立てたからです。そこで同じくYouTubeチャンネルを運営する経営者である、しゃべくり社長(川瀬翔氏)を出演者に迎え、僕がテーマに沿って質問を投げかけながら撮影進行する形に切り替えたところ、再生回数が伸びるようになりました。情報が単に役立つというだけではなく、「面白い」と評価してもらえるようになったのは、僕たちが互いのキャラクターを理解し、活かしあう関係性を築いていけたからだと思います。
Q5
チャンネルはその後、どのように成長していきましたか?
- 北原
- 半年間ほどしゃべくり社長さんとの対談動画を投稿したおかげで、動画の平均再生回数は1万回、チャンネル登録者数は5万人と、チャンネルを大きく成長させることができました。それ以降は一人で語る動画も交えつつ毎日投稿を続けていたのですが、更新の頻度を保とうすると、どうしても話す内容がマンネリ化してしまいます。そこで、チャンネルの方向転換のために新たに始めたのが、「救済企画」シリーズです。事業がうまくいっていない起業家の相談に対して、本音でアドバイスするドキュメンタリー形式の動画シリーズには、視聴者さんから非常に多くの反響がありました。一方で、救済企画は各回の相談内容によって再生回数が大きくぶれます。それはある種、出演者頼みの成功とも言えるかもしれません。改めて自分自身の魅力を磨くことでチャンネルを成長させたいと考え、最近は原点であるフリップチャートを使う動画を投稿しています。以前よりもトークスキルが身について話しやすくなった感覚はありつつ、力試しをしています。
Q6
企画よりも、ご自身の魅力を磨くことにこだわっているのでしょうか?
- 北原
- もちろん企画も重要で、STAGEONは常に試行錯誤しながらその精度を高めてくれています。しかし、僕自身が定義する「カッコいい」は、クリエイティブな企画を作ることよりも、マイク1本でいかに視聴者さんの時間を奪えるかにかかっているんです。話術と実績を強みとして市場にトークを展開し、自身のネームバリューの寿命を延ばす。これこそが、個の成長だと考えています。演者が成長するための努力を怠り、企画力に頼りきってしまうことで、うまくいかない理由をすべて企画のせいにしてしまうのも良くありません。
Q7
なるほど。北原さんの姿勢を受けて、STAGEONはどのようなアプローチをしていますか?
- STAGEON 箱﨑
- トレンドやナレッジの共有よりも、喋り方やしぐさの改善点などを中心にお伝えしています。人間的な魅力を伝えるのに効果的な手段をデータ化するのは難しいですが、YouTubeマーケティング市場を俯瞰し、北原さんを客観的に見られる立場から他の演者の傾向を分析することで、より良い伝え方を模索しているところです。北原さんは、「YouTubeチャンネルを伸ばすために必要ならば、どんなに厳しい言葉でもぶつけてほしい」と言ってくださります。その熱量を受け止めて、私たちも北原さんが目指す方向性に近づけるようなアプローチに切り替えています。
Q8
改めて、両者の現在の関係性は二人三脚なのではないかと感じました。
- 北原
- そうですね。多くの動画を共に作ってきたおかげで、YouTubeマーケティングの知識や演者としての経験値が得られました。二人三脚は、走る二人の体格やパワーバランスが一致して初めて最速のパフォーマンスを出せる競技です。はじめは僕の力量が足りないと感じていましたが、今はSTAGEONと二人三脚ができる、対等に議論できる関係性になれたはずです。撮影現場に来てくれる箱﨑さんと本井さんからは、とにかくチャンネルを伸ばそうという熱い想いが伝わってきます。だから僕は絶対にあきらめてはいけない、彼らが情熱をぶつけられるようにチャンネルの方向を示し続けよう、と思えます。
- STAGEON 本井
- 北原さんの熱い想いがあるからこそ、僕たちも全力で応えられます。STAGEONの動き方や考え方に寄り添い、動画撮影時も親身になって対応してくださるので、一緒のゴールを目指して頑張っていきたいと心の底から感じています。
- 北原
- 現在は複数チャンネルの運営をお任せしていて、基本的にはそのすべてで毎日更新を続けているので、月々のトータル撮影時間はとても長くなるんです。その撮影スケジュールを確保するだけでも難しいはずですが、快く引き受け、時間を捻出してくださっていることに感謝しています。
事業の提供価値について認知を向上させるために YouTubeのファン化の力が効いた

Q9
YouTubeチャンネルの運営を通じて、ビジネスにどのような変化がありましたか?
- 北原
- 象徴的な実績としては、創業して3年で年商10億円に到達する会社を育てることができました。もちろんYouTubeだけの力で達成した実績ではありませんが、YouTubeの発信が事業に大きな成長をもたらしたことは間違いありません。
Q10
YouTubeが成功要因となった理由をお聞かせください。
- 北原
- ビジネスの成功において重要なのは、提供価値をつくる「事業構築」と、その価値を広める「認知施策」の掛け算だと考えています。事業構築には「答え」があるので、ある程度その答えがわかっていれば難しくありません。一方、認知を広げるためには、目まぐるしく変わりゆく市場のトレンドや顧客ニーズを捉えていかなければなりません。ここには、事業構築とは異なる難しさがあると僕は感じています。STAGEONの支援を受け、YouTubeに本格的に取り組んだことで、事業による提供価値を正しく顧客層に理解してもらい、その認知をしっかり広められたことが、今回の事業成長に大きく貢献しました。
- STAGEON 箱﨑
- 北原さんがお話してくださったことは、STAGEONが戦略上重視している「ファン化」の話にもつながります。経営者が語る動画はファン化を促進する効果が高いからこそ、YouTubeの視聴者一人ひとりを顧客へと育てていくことができますし、動画を通じてサービスの提供価値をしっかり理解してもらうことができると思います。
Q11
狙い通りに認知を広めるためのポイントは?
- STAGEON 箱﨑
- 新規視聴者層に認知を広めるためには、新しい視聴者さんにも興味を持たれやすいトレンドやニュースを取り入れることが大切です。一方、話題性があるからといってなんでも取り扱えばいいというわけではありません。北原さんは経営や事業拡大に関わるノウハウに強みを持つ方なので、そういったテーマとマッチしやすいニュースやトレンドをもとに企画を立てるようにしています。強みと結びつくトレンドを切り口にして、北原さんが伝えたいメッセージや事業の強みをアピールできるよう意識すると、よりビジネスに直結する動画にすることができます。一方、私たちが北原さんの話しやすさばかりを意識して企画を作ってしまうと、視聴者さんがついていけなくなってしまうこともあるかもしれません。私たちは常に画面の向こうにいる視聴者さんのニーズを想像しながら、視聴者さんの視点で求められる動画づくりを心がけています。
- 北原
- 箱﨑さんや本井さんが視聴者さんの視点を忘れず、企画や掛け合いの内容を考えてくれていることに助けられています。僕は知識をすでに持っている立場なので、視聴者さんの疑問を完全に理解することはなかなかできません。その気持ちを代弁してくれるのが、STAGEONだと思います。
Q12
今後両者の関係で改善していきたいところはありますか?
- 北原
- 今後も複数チャンネルの運営をお任せするために、運営に携わるチームの編成やメンバーの役割分担の最適化は進めていったほうがいいと思います。お任せし始めた当初から、箱﨑さんが僕のチャンネルでの掛け合いや企画を担当し続けてくれていますが、STAGEONの取締役でもある箱﨑さんは、自社の事業成長に対してもっとリソースを割いていくほうが良いはずです。本来やるべきことに専念できるようにするためにも、本井さんが今後のチャンネルを率いるリーダーとして、コミュニケーションの中心に立っていってくれることを願っています。
- STAGEON 本井
- 北原さんのチャンネルは、これまで長い間、箱﨑が専属という形で運営を務めてきました。知見も経験も多く持つ箱﨑を超えていくというのは大きな目標になりますが、撮影に同行しながら彼の知識をどんどん盗んでいって、最終的には自分が北原さんの右腕になりたいです。箱﨑の仕事を奪うくらいの気持ちで向かっていきたいな、と。
目指すは起業家・実業家のためのインフラ構築 自分自身を磨く場としてYouTubeを使い続けたい
Q13
今後の目標についてお聞かせください。
- 北原
- 2025年は人事・広報の力を強化したいです。事業の強さとは、ビジネスモデルの安定性に比例します。定量化されたビジネスモデルが確立されると、それを基盤にさらなる人材を雇用することができ、事業成長のサイクルが回り始めます。僕は事業成長の基盤となる定量的なビジネスモデルを開発し、その上に人事・採用を積み上げていきたいです。さらに、広報が事業の提供価値について広めていける体制も作りたいと考えています。2024年は年商10億円という一つの節目を達成しましたが、次は人事・広報を強化していくことで、さらなる高みを目指します。
Q14
事業展望についてもお聞かせください。
- 北原
- 僕は多種多様な業種を網羅した、起業家や実業家のインフラを構築したいと考えています。現在、僕の経営する会社では美容室、アイラッシュサロン、整体、訪問看護、SNS運用代行など、多岐にわたる業界・領域で事業を展開しています。そして、それぞれのビジネスに向き合う上ではどのような考え方をすべきか、どうすれば伸びるのかを、データとして蓄積してきました。このデータからシステムを構築することで、さまざまなビジネスに挑戦する起業家や実業家が使いやすいインフラを構築していくことが、今後の展望です。
Q15
その先には、海外展開も視野に入れていますか?
- 北原
- たとえ美容室を一店舗オープンするだけでも、その店舗が海外にあるならば、海外展開と言えます。しかし、僕はそういった形での海外展開に取り組むつもりはありません。誰もが使えるシステムを作って、海外にそのシステムによって経営されるビジネスを展開することで、現地のリソースを基盤とした事業拡大が実現します。そのため、まずシステムを作ることを目標とし、その先に海外へとシステムを届けていくフェーズへと進んでいきたいです。直近の動きとしては、店舗ビジネスに関わるシステムをリリースします。これに続けて、世界各国で汎用的に利用できるタスク処理カレンダーツールをリリースする予定です。
Q16
お話いただいた展望を実現するうえで、YouTubeはどのような役割を果たしますか。
- 北原
- YouTubeチャンネルの運用は引き続き注力していきたいと考えており、2025年にはグループで運営するチャンネルを合計10チャンネルまで増やす予定です。僕はYouTubeを総合格闘技だと捉えています。応援したくなるふるまいや発言をすること、想いを熱量高く届けること、役に立つ情報をわかりやすく伝えること、どれか一つ欠けても成功しません。言い換えれば、YouTubeに取り組むということは、自身の課題や欠点に気づくことでもあるんです。僕はYouTubeに集まるコメントを読んでは、次の改善点を学んでいます。YouTubeは、自分自身を鏡のように映してくれる場所だと思います。この鏡に向き合いながら、欠点を改善し、課題を解決していくことで、さらなる高みへと事業を導いていくことができると信じています。
