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OUTLINE
概要
チャンネル登録者30万人突破
視聴者との信頼を積み上げるYouTube運営術とは
鳥海翔|プロフィール
ファイナンシャルプランナー
1985年群馬県太田市生まれ。
慶應義塾大学商学部卒業後、2008年三井住友海上火災保険株式会社に入社。リテール営業・企業営業を担当し、数々の表彰を受ける。金融商品の制約に疑問を抱き、2016年に株式会社Challengerを設立。生命保険募集人の上位1%以内とされるMDRT会員となる(当時)。NISAやiDeCo、保険、投資信託などの資産形成のための知識を提供する。YouTubeチャンネル「鳥海翔の騙されない金融学」は登録者数30万人を超える。著者に『だまされないお金の増やし方』(KADOKAWA)。企業研修や自治体・学校での金融教育講演も多数行う。
この1年で感じた変化と手応え
Q1
チャンネル登録者が30万人を超えました。率直にどんな気持ちですか。
- 鳥海
- うーん……正直なところ、あまり実感はないんですよ(笑)。
10万人も20万人も30万人も、数字としては違っても気持ちの面ではそんなに変わらなくて。どちらかといえば、1万人から10万人に増えたときの方が「伸びたな」と感じましたね。もちろん節目としてはありがたいことですけど、100万人に到達するまでは、実感が湧かない気がします。
とはいえ、20万人から30万人まで増えた1年を振り返ると、動画づくりにゆとりをもって取り組めるようになったという変化はありました。

Q2
具体的にはどんな部分ですか。
- 鳥海
- 会社の体制変更を進めて、会社の業務をスタッフに任せたり、私自身の時間の使い方を変えました。午後は自分の時間を確保できるようにしていったんです。
以前は週末にまとめてYouTubeの動画コンテンツを撮影していたんですけど、今は平日にも撮影出来るようにしました。これまでは週末に気合いで撮影をこなしていた部分もあったのですが、時間的にゆとりをもって動画を撮れるようになったのは大きいですね。
Q3
動画を出すスケジュールにも影響が出ますよね。
- 鳥海
- 以前は週末に撮り貯めていた分、ニュース性の高いものを扱っても動画が出るタイミングがどうしても遅くなっていました。平日に撮影できるようになったことで、気になったニュースをその日のうちに撮影して、最短で2日後には公開できるようになりました。時事ネタをタイムリーに取り上げられる、このスピード感を出せるようになったのは大きいですね。
Q4
動画の反応にも変化はありましたか。
- 鳥海
- ありますね。やっぱり鮮度が高いコンテンツは視聴者の反応が早いです。
リアルタイムで反応をもらえるのはうれしいですね。
Q4
この1年で特に反響が大きかった動画はありますか。
- 鳥海
- 年金をテーマに扱った動画です。年金って、当たり外れがあるテーマで、外れてしまうと伸びないんですが、当たると長く見られる傾向があります。その中でも、今年出した『【年金いつ受け取るべき?】60歳〜75歳の中で一番お得な年齢はココ!役所が教えない本当の話を紹介します!』という動画は、185万回まで再生されています。※(2025年11月11日現在)
正直、初速は良くなかったのですが、後からじわじわと伸びて行って、今は毎日1万回ほど再生されています。コツコツと数字を積み上げてくれる動画になっています。
- STAGEON 勝山
- 年金をテーマに扱う企画は、法改正などのタイミングで提案することの多いテーマです。正直、差別化も難しいのですが、この動画が大きく反響を得たのは、鳥海さんが協力的にアレンジを加えてくださったことが大きいのではないかと思います。鳥海さんの伝え方の上手さと知識がかみ合って、視聴者に支持される、伸びていく動画になったのだと思います。いつも前向きに取り組んでくださる姿勢に、とても助けられています。
『【年金いつ受け取るべき?】60歳〜75歳の中で一番お得な年齢はココ!役所が教えない本当の話を紹介します!』
https://www.youtube.com/watch?v=d-7_nj4uPdE
Q6
これまでの積み重ねが、このような信頼関係を構築できているのですね。
- 鳥海
- そうですね。関係性が悪かったら、きっと継続していないと思います(笑)。
たとえば年金については私自身、知見が浅い領域で、最初はあまり気が進まない企画でした。でも何回か提案してもらううちに、「こういう視点もあるかもしれないな」と感じて、深く勉強するようになりました。自分だけでは取り組まないテーマに向き合えるのは良いことです。
あとは、前回のインタビューでも話しましたが、臨機応変に対応してくれていますね。
視聴者へ伝わることを意識した動画づくり
Q7
この1年で、運営の中で意識的に変えたことはありますか。
- 鳥海
- 私の中で意識的に変えたことはないのですが、動画の構成を撮影前にしっかり作ること。これは続けています。撮影や編集の段階でなんとかしようとするより、構成の時点で話す内容をしっかり考えておくことです。撮影の準備を大事にしています。
また、週ごとにテーマを大まかに決めて、撮影予定を立てるようにしています。ただ、ニュースが動いたときはすぐ変更するようにしています。決めすぎず、柔軟に動けるくらいのバランスが、自分には合っている気がします。
- STAGEON 勝山
- 金融系のYouTubeを分析していると、鳥海さんがロールモデルとして見られているのではないかと感じることが多くなっています。そこで最近は、サムネイルの基調色を黄色に統一し、「鳥海さんといえば黄色」とひと目で分かるようにブランディングを意識するようにしました。それ以外にも、海外から情報を集め、鳥海さんにフィットしそうなオリジナル企画を週に1回提案する取り組みも始めています。
Q8
構成で気をつけていることはありますか。
- 鳥海
- 常々意識していることですが、金融ってどうしても専門用語が多くなりがちです。難しい言葉を並べても視聴者には伝わらない。だからこそ、精査したうえで、できるだけかみ砕いた、わかりやすい表現になるように心がけています。
勝山 サムネイルと動画の内容に乖離があると、視聴維持率がガクッと下がってしまうので、内容に合ったサムネイルを作ることは意識的にやっています。
Q9
ショート動画の投稿も始められていますね。
- 鳥海
- そうですね、今年から始めました。投稿を始めてからアナリティクスのデータを見ていますが、正直まだチャンネルへの影響ははっきりとはわからない部分が大きいです。ただ、私の実感値として、チャンネル全体のインプレッションが増えているのは確かで、全体的に良い影響が出ている感覚はあります。
Q10
動画の構成や見せ方について、今後どうしていきたいですか。
- 鳥海
- 冒頭の入り方はまだ課題だと思っています。最初の30秒くらいで視聴者をどう引き込むかを、もう少し工夫したいです。
Q11
日々の改善を重ねながら、より見やすい動画づくりを目指しているんですね。
- 鳥海
- そうですね。一気に大きく変えるというより、少しずつ整っていると感じています。地道な積み重ねが、結局いちばん確実ですよね。
Q11
チーム体制や運営の面では、この1年でどんな変化がありましたか。
- STAGEON 勝山
- 鳥海さんが平日に撮影をされるようになってから、タイムリーに動画を出せるように、撮影後すぐにサムネイル制作に入れるようにSTAGEONも体制を整えました。
- 鳥海
- 全体的には、この1年で何かが急に変わったというより、「じわじわ良くなっていった」って感じですよね。いまはお互いに理解が深まって、進行もスムーズになってきたと思います。最初から完璧を目指すより、少しずつ良くしていく。その積み重ねで気づいたら流れができていました。今は自然とチームとして動けている感じです。

Q13
確かに、鳥海さんらしいオリジナル感ある企画がより多くなったようにも感じます。
- STAGEON 勝山
- 鳥海さまにご利用いただいているプランは、STAGEONがフルで撮影・編集までコミットするプランではない分、パフォーマンスをしっかり出すのが難しい部分もありますが、ここまで結果が出せているのは、鳥海さんの協力が本当に大きいです。
例えば、何かニュースがあったタイミングで「このニュースで動画を撮っていいですか」とご連絡くださって。もちろん、ぜひお願いしますとお伝えします(笑)。STAGEONでは、鳥海さんが撮影終了後にすぐサムネイルを作成し、動画をアップできる体制を整えました。こういった日々の積み重ねが、チームとしての形をつくってきたように感じます。
質問コーナーと新たな取り組み
Q14
動画の見せ方について、この1年で何か変化はありましたか。
- 鳥海
- 企画部分では大きな変化はないのですが、質問コーナーを取り入れました。質問コーナーを始めてから、視聴者の方との距離が近くなったと感じます。自分の質問を取り上げてもらえたと喜んでくださる方も多くて、結果的にファン化につながっていると思います。
- STAGEON勝山
- 質問コーナーについては、他のチャンネルの事例もあり、こちらから「テストでやってみませんか?」と提案しました。まずは1か月に2本動画を作りましたが、2本とも視聴者からの反応が良かった。そこで、毎週質問コーナーをやりましょうと提案しました。鳥海さんのチャンネルの場合、質問コーナーは平均以上に再生数が取れています。視聴者は鳥海さんに直接聞きたいことがあり、回答を待ってくれているのだなと改めて感じました。
Q15
視聴者とのやり取りを通じて、変化を感じることはありますか。
- 鳥海
- いただいた質問が次の企画のヒントになることもありますし、視聴者の方の関心を知るきっかけにもなっています。これまで一方通行になりがちだった発信が、少しずつ双方向になってきた感じがありますね。
体制を変えたことで時間ができた分、Voicyでの発信も始めました。Voicyでは雑談が意外と人気になっていて、「筋肉痛になった」というような何てことのない話に、なぜか反響があって(笑)。こういった取り組みも含め、全体的に視聴者との距離感が近づいたように感じます。
Q16
確かに、鳥海さんの動画での印象も少し柔らかくなった気がします。こういった新しい取り組みが、チャンネルにどんな影響を与えているのでしょうか。
- 鳥海
- そうですね。質問コーナーやVoicyを通して、金融の情報的価値だけでなく、情緒的価値を感じてもらえるようになってきたのかなと思います。これからも、そういう関係を続けていけたらいいですね。
今後の展開
Q17
これから挑戦してみたいことや予定していることはありますか。
- 鳥海
- 11月12日に『マンガでわかる 騙されないお金の増やし方』という本を出す予定です。老後を少し豊かに過ごしていくために、騙されずに正しい方向に進むには何が必要なのか。そうしたことを学べる内容になっています。
より多くの方に手に取ってもらえるように、漫画とテキストで構成し、読みやすく、分かりやすい本にしました。YouTubeチャンネルで大切にしている「難しいことを分かりやすく伝える」という考え方と同じですね。資産運用ってよく分からないという方にも、この1冊で判断基準や考え方を掴んでもらえると思います。ぜひ読んでいただきたいです。
■マンガでわかる 「だまされない」お金の増やし方
https://www.amazon.co.jp/dp/4046072059/
Q18
継続して発信を続ける中で、意識していることはありますか。
- 鳥海
- 登録者が増えると、数字の変化に目がいきがちですけど、そこに振り回されないようにしています。続けていくことで積み上がるものがあると思っています。これからも、視聴者にとって役に立つ内容を発信していきたいです。
- STAGEON勝山
- 鳥海さんは本の出版も控え、メディアの露出も増えていくと思うので、それをアシストできるようなチャンネル運営をしていきたいです。登録者数も再生回数も伸びていく、勢いのあるチャンネルを一緒に育てていきたいですね。
■YouTubeチャンネル運営成功の鍵は「視聴者理解」と「丁寧な積み重ね」
YouTubeチャンネル「鳥海翔の騙されない金融学」は、視聴者と丁寧に向き合う姿勢と、専門知識をわかりやすく翻訳する力によって着実に成長を続けています。登録者は30万人以上へ。伸びの裏には、積み重ねを大切にした“信頼ベース”の運営があります。
- 運営の“下ごしらえ”を大事にする:構成・準備へのこだわり
- タイムリーな発信を可能にする進行体制:平日撮影とスムーズな制作フロー
- 視聴者との接点を増やす:質問コーナーやVoicyを活用し、コミュニケーションを活性化